当協会は、都市農地保全、多世代・地域交流を目的とした農地活用のモデルとして「わくわく都民農園小金井」を運営しています。「わくわく都民農園小金井」の運営と、さらに東京都より委託を受けている「体験農園等普及事業」「修了生人材活用事業」という2つの事業をよりよく進めていくために、たくさんの学びをいただきに、様々な農家さんのもとを訪れる機会をいただいています。
見学に行かせていただいた農園さんのご紹介とお話の一部をご紹介をします。
今回見学に行ったのは、すぎのこ農園さん
杉並区と受託者であるJA東京中央が運営をされる、杉並区にある農福連携農園「すぎのこ農園」さん
杉並区役所産業振興センター都市農業係、農業委員会事務局の瀬端一哉さん、齊藤慧さん
JA東京中央農住支援部営農支援課の青木郁子さんにご案内いただきお話を伺いました。
どんな農園?
平成31年から農福連携農園として試験的作付けや農園整備をはじめ、令和3年4月全面開園をされました。農作業などを通じて、杉並区と受託者(JA東京中央)が「農福連携」に取り組む農園になります。
面積は約3,240㎡。区内の障がい者施設や子ども食堂へ提供する生産物を育てたり、区民向けの収穫体験を実施する「多目的農園区画(約2,000㎡)」、障がい者施設や保育園等の団体向けに区画の貸し出しをされている「団体農園区画(約600㎡)」、江戸時代中期の農家住宅の部材を活用して作られ講座やイベントもされている「管理事務所(約200㎡)」で構成されています。
お話の一部をご紹介
地域の方が農に触れる機会を
お話をうかがって、すぎのこ農園は地域にも開きながら、農体験や地域でつくられた農産物と出会える機会も広くつくられているところが印象的でした。例えば、区内の障がい者施設の方々がつくられた手づくり品や区内の農産物を販売する「すぎのこマルシェ」の実施、マルシェを含め利用団体のパネル展示やワークショップ等も実施される『すぎのこ農園まつり』の開催。
そして、多目的農園区画で育てた野菜の収穫体験イベントの実施や、区内の障がい者施設や子ども食堂への提供も、学生さんの就業体験の受け入れも行い、幅広く「農」に触れられる機会をつくっています。
区民ボランティア
杉並区では、「農業ボランティア」 「農福ボランティア」 「成田西ふれあい農業公園の農業公園サポーター」等、数々のいろいろな区民ボランティア制度があるそうです。農業ボランティアは、定員より何倍もの数の応募があるほどの人気!すぎのこ農園にも、約30名のボランティアの方が登録をされ、サポートいただいているとのことです。団体農園区画を利用されている障がい者施設や保育園等の団体に予定を出してもらい、その上で、月に一度ボランティアの方にスケジュールと出欠をとるという形で日程調整をされているとうかがいました。 成田西の農業公園での講座を卒園した方も、ボランティアに参加しているそうです。
ボランティアさんの知恵を活かしての運営
活動や施設、運営されている方々の魅力も見学の中でたくさん感じましたが、印象に残ることのひとつにボランティアの方との関わり方がありました。
ご案内くださったJA東京中央の青木さんが、「これ見せたいんです!」と案内くださったのは、ボランティアの方々が知恵を出して創作された道具の数々。段ボールでつくった移動時に使う「ハサミ入れ」や種蒔きの際に種を蒔く場所の印をつける空き缶で作った道具、手作りの除草用フォーク等。障がいを持っている方でも作業しやすいように、みんながやりやすくするにはどうしたらいいかという提案をボランティアの方が考えて、その知恵を受け入れて、この場所の誇りというようにご案内くださる姿から、とても素敵な関係性が築かれて、一緒に場をつくられていることを感じました。
お聞きした中で、とても素敵なエリアを最後に一つ紹介させてください。基本的には収穫体験で利用されるスペースの一部に、「穴掘り場」という看板のある場所がありました。利用されている障がい者団体さんのお一人の中に、穴を掘ることが大好きな方がいるそうで、その方のために野菜がない時期、ご自身が描いた穴掘り場の看板をつけて、その方が来たときは穴を掘って埋める作業もするのだとか。一人一人を受け入れるという姿勢がとても表れている場に感じられました。みんなで使う場所の、みんなにはいろんな方がいて、それぞれがいきいきできるようにと、ボランティアの方も含めて受け入れる運営がとても素敵な場所でした。農福連携の体験農園の活動スタイルを築かれている「すぎのこ農園」。お近くの方はマルシェや収穫体験等へぜひ足を運んでみてください。





















すぎのこ農園
住所:杉並区井草3丁目19番23号
運営種類:杉並区農福連携農園を運営
WEB:https://www.ja-tokyochuo.or.jp/suginoko/
訪問日:2025年5月21日

